腰痛のRed flags:感染

感染のRed flags

腰痛に関連する重篤な疾患の1つに”感染”があります。

オーストラリアのガイドライン(Evidence-based Management of Acute Musculoskeletal Pain 2004)ではRed flags について、感染の兆候(eg.発熱)、感染のリスク因子(基礎疾患の過程、免疫抑制、穿通創など)の2点を挙げています。

感染の兆候(eg.発熱)

感染のリスク因子(基礎疾患の過程、免疫抑制、穿通創など)

・・・この情報だけだと、全然わからないですよね。

ガイドラインには感染については書いてあるけど、詳しく書いてないことが多いです。

どんな感染があるのでしょうか。

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化膿性脊椎炎

感染が原因で、腰痛に関連する重篤な疾患の1つに、化膿性脊椎炎があります。成人でみられる血行性骨髄炎で多くみられ、罹患部位で最も多いのは腰椎、次に胸椎、頸椎と続きます。(石井 2018)。

化膿性脊椎炎ですが、高齢者と幼児に多くみられ(幼児にも起こるんですね)、高齢者や糖尿病やステロイド内服などの易感染性を有する基礎疾患をもつ患者に増加している、とのことです(大場 2016)。

化膿性脊椎炎の症状は臨床症状によって、急性型(38°以上の高熱と激痛)、亜急性型(37°台の発熱と痛み)、慢性型(発熱なし、慢性の疼痛)の3つに分けられます。

この慢性型というのが要注意ですね。

感染が進行すると椎体の圧潰、また、神経まで影響が及べば膀胱直腸障害などの神経障害や運動麻痺が生じるため、早期の対応が必要です。

感染の原因としては、軟部組織の感染症、呼吸器感染症からの血行性の感染、尿路感染症が多いですが、脊椎手術や椎間板造影後に医原性に発症する場合もあります。

谷口(2018)は、感染症の鑑別診断に役立つ情報として以下の4点を挙げています。

  1. 当該部位における感染の既往歴
  2. 菌血症の既往歴
  3. 注射による薬物使用歴
  4. 最近の外傷や手術歴

ニュージランドのガイドライン(New Zealand Acute Low Back Pain Guide 2004 )にも、Intravenous drug use(静脈内注射)という記載があります。

静脈内注射・・・注射による感染・・・これは、自分で打つというイメージがありますが、他の人から打たれる注射(ステロイドやヒアルロン酸など)も含まれます。

つまり、整形外科クリニックに通院して注射を打っているという情報があれば、気にとめる必要があると思います。

そして、患部の炎症所見や発熱などがあれば、注意が必要です。

私は脊椎ではないのですが、感染による化膿性肩関節炎を経験しました。他院で注射をしていたが良くならず、大学病院を紹介、大学病院からクリニックを紹介、クリニックから・・・どこで感染があったのか、衛生状況の悪い中での注射だったのか?どうやって医師の診察をすり抜けてきたのか・・・謎が多いまま、診断がついてからは緊急入院・手術をされて快方に向かいました。

化膿性脊椎炎の検査としては、採血、X線・CT・MRIなどがありますが、細菌学的検査(組織採取、血液培養)が重要とのことです

保存療法では局所の安静、抗菌薬の投与が行われます。手術治療としては、脊椎前方固定術、椎弓根スクリューにおる後方固定術があります。

Key points 

  • 最近の手術歴、注射などの治療歴があり、発熱など感染を疑う状態の場合は注意が必要がである。

おすすめの書籍(Recommended books)

2009年出版です。Red flags に関連する疾患について、疾患別に説明しています。

2018年出版。非特異的腰痛、急性腰痛と慢性腰痛について理解を深めるのにおすすめの書籍の一冊です。”Red flags” についても記載があります。当研究所代表も分担執筆させて頂いています。

 

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