Unit 7 関節モビライゼーションの基礎知識⑤ グレード

関節モビライゼーションを実施する上で、どの程度の力を関節に加えるのか?どの範囲、動かすのか?を考える必要があります。

関節モビライゼーションには、グレードという考え方があります。

グレード(Grade)とは

グレードどは、関節モビライゼーションを実施するときに使われる用語で、関節の動きの範囲と言われたりします。

わかりやすく言うと、”関節内に加えた力の運動範囲を段階的にした考え方” です。

徒手療法のメソッド(メイトランド、カルテンボーン、パリスなど)によって、グレードの考え方は変わります。

メイトランドのグレードだと、グレードは1〜Ⅴの5段階になります。

治療目的、状態に応じて、グレードを使い分けます。

Ⅰ:可動域開始位置の近くでの小さな振幅

Ⅱ:関節の硬さ(こわばりや筋スパズム)を感じない、大きな振幅

Ⅲ:関節の硬さを感じる、抵抗感まで達する、大きな振幅

Ⅳ:関節の硬さを感じる、抵抗感まで達する、小さな振幅

Ⅴはスラストといって、グレードⅢ、Ⅳで改善しない、最終域でのわずかな痛みがある場合に用いられます。

 

 

 

 

 

 

図はグレードの考え方を簡易化したものです。開始位置、抵抗感、最終可動域となっています。

 

脊椎においては、分節の可動域が低下している Hypomobility(過少可動性)の関節は最終可動域の前に抵抗感が出現します。

抵抗感の違いは、左右・上下の分節と比較して、判断するといいいでしょう。

Hypomobility に対しては、グレードⅢまたはⅣを用います。

脊椎においては、椎間関節を動かした時に抵抗感を感じるところまで動かして、そこで振動法または持続的伸張法を行います。

ポイントとしては、グレードⅢまたはⅣの場合は可動域開始位置まで戻らない、ということです。

私は、抵抗感が感じるところまで、力を加えて、振幅を繰り返しています。大きい振幅か、小さい振幅かの判断は抵抗感、反応を適時確認しながら調整しています。

小さい振幅で開始して、大きい振幅にすることもあります。大きい振幅で筋緊張が高まるようなら小さい振幅に変えたりしています。

振動法と持続的伸張方法

振動法(oscillations)とは、細かく動かす、方法です。

2~3Hz の滑らかで規則正しい運動を1〜2分間行います。

回数でいうと、1分間に120回動かす感じです。部位、関節の硬さによっては、30秒くらいで終わる場合もあります。

持続伸張法(prolonged hold)とは、抵抗感が感じるところで伸張させる方法です

6秒~30秒、またはそれ以上が必要です。セット間はグレードⅠまたはⅡまで緩めます。

振動法・持続伸張法の選択は治療コンセプト・メソッドによって異なります。

どちらを用いるかはセラピストの判断によりますが、対象者の反応をみて決めてもいいと思います。

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