Unit 4 関節モビライゼーションの基礎知識② 凹凸の法則

凹凸の法則(concave convex rule)

関節内の2つの関節面の動きの法則のことを凹凸(おうとつ)の法則といいます。

英語では、凹のことをconcave、凸のことをconvex と言います。

最初、concave は凹?凸?になることがあり、concaveはCだから凹、convex は Vだから凸と形で覚えた単語です。

ちなみに、“でこぼこ”という日本語をワードで変換すると、凸凹になります。”おうとつ”は、凹凸です。

凹の法則

凹の法則とは、動く側の関節面が凹の場合、滑りは骨運動と同じ方向に生じます。

例)膝関節の屈曲:凹 大腿骨 凸 脛骨

 

 

 

 

 

 

脛骨は下方向に動きます(骨運動)。関節内の動きでも、脛骨は下方向に滑ります。

凸の法則

凸の法則とは、動く側の関節面が凸の場合、滑りは骨運動と反対の方向に生じます。

例)肩関節の外転運動:凹 肩甲骨 凸 上腕骨

 

 

 

 

 

 

上腕骨は上方向に動きます(骨運動)が、関節内の動きでは上腕骨頭が下方向に滑ります。

滑りの力の方向

副運動の低下により関節可動域制限が生じている場合、関節包の緊張によって、”滑り”が減り、”転がり”の動きになる結果、関節面の圧迫が生じて疼痛が誘発されます。

 

 

 

 

 

 

つまり、関節内の動きを改善するために、”滑り”の動きをだす必要があります。ただし、滑りだけでなく、”転がり”の動きを重要視するメソッドもあります。

凹凸の法則を考慮して、関節面に対して“滑り”の力を加える必要があります。滑りの力は治療する関節の治療面(凹)を平行に動かす、また、治療面に対して凸を平行に動かす必要があります(治療面(Treatment plane)は常に、凹の関節面をいいます)。

関節に対して、平行ではないと効果半減、また、ぶつかって圧迫ストレスを生じてしまいます。

 

 

 

 

 

 

例)膝関節屈曲:凹の法則

治療面の方向は変化します。つまり、屈曲角度が増えるにあたって、滑りの力を加える方向を微調整する必要があります。前腕の向きが滑りの力の方向と一致するのが基本です。

 

 

 

 

 

 

例)肩関節外転:凸の法則

治療面の方向は一定です。凹面の肩甲骨の向きを考慮して滑りの力を加える必要があります。

凹凸の法則は完璧な法則ではない!

凹凸の法則は、関節運動を考える上で基本となるものですが、完璧ではありません。

Neumann DA(2012)は、「The Convex-Concave Rules of Arthokinematics: Flawed Just Misinterpreted?」にて、凹凸の法則をリスペクトしながら、欠陥を指摘しています。

凹凸の法則に当てはまらない例として、肩関節外旋があります。

 通常、肩関節外旋時に上腕骨頭が後方に転がり前方に滑ります。

しかし、後方組織が硬くなってしまった場合、上腕骨頭を後方から前方へ押し出してしまい、前方組織への圧迫ストレスを増大させます。Obligate translation というキーワードでいろいろと議論されています。

肩関節外旋運動を改善しようと思って、凹凸の法則を考え、上腕骨頭を前方に滑らせるというのは間違いで、後方関節包の硬さを改善するために上腕骨頭を後方に滑らせる必要があります。 

実際、肩関節外旋の他動運動で疼痛が誘発された際、上腕骨頭を後方に押し込みながら再度、外旋すると疼痛消失・可動域増大が認められることが多いです。

脊椎の椎間関節の場合、転がりの方向を考えるよりは、関節面での滑りの方向が重要になります。

脊椎では、部位によって矢状面での関節面の角度が異なります(頸椎:45°、胸椎:60°、腰椎:90°)では、が異なるので、立位・座位で滑りの力を加える場合は、矢状面での関節面の角度を考慮する必要があります。 

 

 

 

 

 

 

例)下位頸椎 MWM:Mobilisation With Movement

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