腰痛のRed flags:悪性腫瘍

悪性腫瘍のRed flags 

重篤な疾患の1つに悪性腫瘍があります。

悪性腫瘍のRed flags として以下のものがあります。

  • 癌の既往歴
  • 50歳以上
  • 保存療法の効果がない
  • 説明のつかない体重減少
  • 多部位の疼痛、安静時痛、夜間痛
  • 時間や活動性に関係のない疼痛(日本)

各国のガイドラインには悪性腫瘍については記載がありますが、どのタイプの悪性腫瘍があってどういった症状が出現するのか、という細かい記載はありません。

悪性腫瘍の種類もさまざまで全てを知ることはできませんので、一般的な Red flags を覚える必要があるのかなと思います。

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説明のつかない体重減少ってどのくらい?

Cancer Research UK では、「ダイエットしていないのに、体重が1ヶ月で 5% 減少または6ヶ月で10%減少するなら、あなたの医師は原因を見つけることを望むしょう。」と記しています。

他にも「3〜6ヶ月の間に体重減少が 5% でred fragが1つ、5-10%でred flagが2つ、10%でred flagが3つ」と紹介している場合もあります(Red flags 1 2006)。少し基準がゆるいですよね。

「特に食事制限や過度の運動をしているわけではないのに「6か月で5%以上」の体重減少を認める場合を病的な体重減少とすることが多いです(健康長寿ネット)」というのもあります。

いろいろありますが、

”5%の体重減少”というのがわかりやすい

と思います。

説明のつかない 5%の体重減少が、6ヶ月間だと注意、3ヶ月だと要注意、1ヶ月だと危険、でしょうか。

さて、体重ですが聞いてますか?

私はというと、聞く場合もあれば、聞かない場合もあります。すべての患者に必要な質問か?というと、そうでないこともありますしね。

太っている人に聞き辛いことも正直ありますが、過体重は疾患うんぬんより健康に良くないので、タイミングをみて注意喚起はするように心がています。

体重ですが、クリニックによっては、問診票に記載する場合があります。自分で書いてもらう方が聞くよりも楽です。

体重を定期的に計測しているのか、体重を把握しているのか、健康状態の判断、今後の変化、などを考えると問診票にあるといいのではないでしょうか。もし、開業したら、問診票に入れたいですね。

受付で書いた問診票をセラピストが見れる体制になっているか、情報共有できるようになっているのか、というのは医療機関によっては課題になると思います。

Red flags の数と悪性腫瘍

さて、「悪性腫瘍の Red flag けっこう集まるんじゃないか?」と疑問に思われるかもしれません。

まず「年齢」ですが、この年齢を考慮すると、多くの患者が Red flag が1つあることになります。

次に「癌の既往歴」ですが、何年前までの癌をRed flags にするのかわかりませんが、癌を既往歴にする方はとても多いです。Red flag 2つめです。

また、「保存療法の効果がない」ですが、セラピストによって差がでる可能性があり、適切なマネジメントが行われていない場合は効果がでません。1ヶ月くらいしたら、Red flagが 3つになってしまいます。

この段階で、医師の受診を勧めるのか?というと、その前に自分自身のマネジメントが適切に行われているか再確認する必要があります。

最初からRed flags 2つある腰痛患者を担当することはけっこうあります。

では、いくつあったら悪性腫瘍の可能性が高いのか。

癌の既往歴、50歳以上、保存療法の効果がない、説明のつかない体重減少は、Sensitivity 1.00 Specificity 0.60と紹介されています(Red flags 1e 2006)。

一方で、Premkumar(2018)は「”癌の既往歴”と”説明のつかない体重減少”の2つがある場合、脊椎・脊髄腫瘍の可能性が14.3%になる」と報告しています。

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癌の既往歴がある患者から学ぶことは多い

臨床では、悪性腫瘍を疑う患者より、癌の既往歴がある患者を担当することがとても多いです。 

癌をどうやって発見できたのか、話を伺うと症状は千差万別で発見方法もさまざまです。

「会社の検診で」「市区町村の検診で」「胸のしこりに気づいて」「さまざまな科を受診したけどわからなくて」

癌の既往歴、また、治療中の患者から話を伺うことで、今後の臨床での注意喚起につながるかもしれません。

ただし、Sensitive な内容ですので、話を聞くときは慎重に、謙虚に、ですね。

おすすめの書籍(Recommended books)

2009年出版の書籍です。Red flags に関連する疾患について、疾患別に説明しています。2006年にRed flags 1が出版されています。

2018年出版。急性腰痛と慢性腰痛について理解を深めるのにおすすめの書籍の一冊です。”Red flags” についても記載があります。当研究所代表も分担執筆させて頂いています。

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