文献抄読:姿勢

姿勢、姿勢修正時のアドバイスについて書かれた専門家の意見です。

Sit Up Straight”:Time to Re-evaluate

Slater D et al. 2019 *共同執筆者 Peter O’sullivan

 

多くの健康に携わる専門家が、強いエビデンスがないにもかかわらず、正しくない座位姿勢や立位姿勢、また前屈動作によって腰痛が引き起こされていると認識しています。

正しい姿勢については広く信じられていますが、不適切な姿勢を避けることで腰痛を予防できたり、1つの脊椎カーブが疼痛と関わっているという強いエビデンスはありません。

フィットネス業界では脊椎を保護するという考えが提唱されています。

座位やリフティングにおいて正しい姿勢をとる、脊椎を保護するという考えによって、腰痛患者は脊椎の屈曲が少なくなり、過剰な筋活動を生じさせます。

脊椎を保護するとう考えは腰痛患者にとって強い恐怖や低い自己効力感と固めた動き方を関連させる可能性があります。

なぜこの患者はこの姿勢をとっているのか、関連性を探ることはとても重要です。

セラピストが与える言葉が、恐怖や過度な警戒を引き起こしてしまう可能性があります。

まっすぐ座って(Sit up straight)というアドバイスが挫折感や不安感を生じさせるかもしれない。一方で、「姿勢を変えるように」というアドアイスはとても有効です。

ヘルスケアの中には、疼痛の生物医学的モデルからシフトするのにいくらかの抵抗があります。

その結果、強いエビデンスがないにもかかわらず、痛みが比較的、正常からの変位や非対称性によく起因されることがあります。

セラピストは姿勢の欠点について余計な心配をさせすぎないように説明に注意することを推奨します。

よりリラックスした姿勢をとるのがいいですが、姿勢は安全で、症状が軽減している必要があります。

セラピストは、患者が避けるような姿勢や動作にどうさらされているか、症状を誘発するような習慣を変えるようにする必要があります。急性期の姿勢や動作の変更は長期間は必要ないでしょう。

最後に姿勢に関連する7つのキーポイントを挙げています。

  1. There is no single correct posture.
    正しい姿勢は1つとは限らない

    一般的な姿勢に対する信念があるにもかかわらず、最適な姿勢や不適切な姿勢を避けることが腰痛を予防できるという強いエビデンスはありません。

  2. Differences in postures are a fact of life
    姿勢の違いは人生の現実です *訳は微妙
     
    脊椎のカーブには自然なバリエーションがあり、痛みと強く関連する1つの脊椎の弯曲はない。痛みは相対的にノーマルバリエーションに起因されるべきではない。

  3. Posture reflects beliefs and mood.
    姿勢は信念と気分を表しています

    姿勢は感情、思考、ボディイメージについて洞察を与えています。いくつかの姿勢は防御戦略に順応している、また、身体の脆弱性に関係しているかもしれない。姿勢をとっている理由を理解することは有用です。

  4. It is safe to adopt more comfortable postures.
    より快適な姿勢をとっても安全です

    快適な姿勢は個人によって違います。頻繁に避けられる姿勢を含む別の姿勢を探すこと、習慣的な姿勢を変えることで症状を軽減できるかもしれません。

  5. The spine is robust and can be trusted.
    脊椎は強く、信頼できます

    脊椎はさまざまな姿勢において安全に動き、負荷にも耐えられる強く、順応性のある構造です。脊椎を守るための一般的な警告は必要なく、かえって恐怖につながる可能性があります。

  6. Sitting is not dangerous.
    座位は危険ではありません

    30分以上の座位姿勢は危険ではなく、いつも避けるべきものでもありません。しかし、動くこと、姿勢を変えることは役立ちます。また、身体を動かすことは健康にとって重要です。

  7. One size does not fit all.
    そんなに簡単ではない、万能ではない

    姿勢と動作のスクリーニングは、職場における痛みを予防できません。推奨されるリフティング方法は自然な脊椎の弯曲に影響を受けます。特定の姿勢をとること、コアを固定することはエビデンスに基づくものではありません。

https://www.jospt.org/doi/abs/10.2519/jospt.2019.0610

文献抄読の注意点&お願い

論文で用いられている英文法、研究手法、統計手法の選択などを学習する目的で行っています。

最新の研究の紹介ではありません。

発行年が古い場合、新しい知見がでている可能性があります。

批判的吟味は行っていませんので、バイアス評価など各自で行ってください。

情報を鵜呑みにするのではなく、疑わしければ各自で調べてください。

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