関節モビライゼーションの基礎知識:ゆるみの肢位 VS しまりの肢位

関節の副運動を評価する場合、評価肢位を考慮する必要があります。

ゆるみの肢位としまりの肢位という考え方があります。

ゆるみの肢位

ゆるみの肢位(Loosed pack position)とは、関節の接触・摩擦が小さく、関節包・靭帯がゆるんでいる肢位で、安静肢位とも呼ばれます。

ゆるみの肢位にて、副運動を評価します。

例)肩甲上腕関節 Glenohumeral:外転40 – 55°、肩甲平面での水平屈曲30°

脊椎においては、椎間関節は英語で Midway between flexion and extension、つまり、”屈曲と伸展の中間”となります。

もともと脊椎は生理的弯曲があり、頸椎は伸展位(前弯)、胸椎は屈曲位(後弯)、腰椎は伸展位(前弯)となっています。

このポジションがニュートラルになるので、例えば、他動生理的運動テストで腰椎を評価するときは、側臥位にて中有位(=腰椎伸展位)になります。ニュートラルな腰椎前弯は腰椎25°となっています。

ただし、過度な伸展ではなく、股関節軽度屈曲位にして、骨盤前傾約15°、腰椎軽度伸展位といった感じです。

評価前に背中を触り、軽度な伸展があり、筋の過緊張がないことを確認します。

ゆるみの肢位で、関節の動きを評価し、Hypermobility(過可動性)、普通、Hypomobility(過少可動性/低可動性)を判断します。

制限が確認されたら、疼痛誘発テスト(他動副運動テスト)を実施して過少な可動性(低可動性)の関節に対して関節モビライゼーションを実施します。

関節モビライゼーションを実施する肢位は、ゆるみの肢位もあれば非生理的肢位もあります。

しまりの肢位

しまりの肢位(Closed pack position)は、靭帯・関節包の緊張が最も高い肢位です。

例)肩甲上腕関節 Glenohumeral:外転・外旋の最終域

脊椎においては、伸展最終域となります。

しまりの肢位で関節の動きが大きい場合は、不安定性を示唆し、関節モビライゼーションは実施しません。

とはいうものの、脊椎においては、しまりの肢位で分節を評価することは基本的にしません。

ゆるみの肢位で確認すること

ゆるみの肢位としまりの肢位は関節ごとにあります。

覚えることが多いですが、繰り返し実施することで覚えると思います。

ゆるみの肢位で関節の動きを評価する場合、患者自身が緊張していないか、軟部組織の緊張がないか確認する必要があります。

ゆるみの肢位=リラックス、ではないので注意が必要です。

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