腰痛の分類とは

少し古いですが、2015年のWCPT(World Confederation for Physical Therapy:世界理学療法連盟)の学術大会(congress)において、注目のシンポジウムの1つとして、Low back pain がありました。 

Statified care(層別ケア *意訳) 、Classification(分類)、Clinical prediction rule(臨床予測ルール)などがキーワードとして挙げられています。

ピーター・オーサリバンも登場しており、Cognitive functional therapy について説明しています。

Stratified care / Classification

Stratified は日本語で”層別、階層、階級”という意味があります。

層別とは、データーやある集団を特徴に応じてグループ化することを言います。

Stratifeid care とは、「患者を特徴によって、いくつかのグループに分類(classification)して、特異的に反応する最も適切な治療方法を提供する」ことを言います。

例えば、A、B、C と3つのグループがあり、グループAに対しては治療Aを行う、という感じです。

グループ分けの種類が多くなれば多くなるほど、分類は複雑になります。

Stratified care の特徴(Foster 2013)

  • 特徴(患者の予測特性:疑われる原因メカニズムを根底にした特異的な治療に対する反応)に基づいて分類された患者への標的治療
  • 患者グループを、特性に応じて最も適切な治療方法と一致させ、より良い治療結果を達成する。
  • 利点として、臨床判断が早い、最も適した治療方法を迅速に患者に提供できる、医療費削減などがある。

さまざまな腰痛の分類方法

腰痛の分類については、さまざまな考え方があります。

3つのグループに分類するのもあれば、5つ、または、それ以上に分類するのもあります。

Karayannis(2012)は、5つの腰痛の分類方法を比較・検討しています。

  1. Mechanical Diagnosis and Treatment (MDT, McKenzie)

  2. Treatment Based Classification (TBC, Delitto)

  3. Pathoanatomic Classification (PBC, Petersen)

  4. Movement System Impairment Classification (MSI, Sahrmann)

  5. O’Sullivan Classification System (OCS)

著者は、

「5つの分類方法には、多様性があったが、疼痛誘発動作、疼痛軽減動作などの運動パターンによって分類することは共通していた。

たくさんの分類方法がある1つの理由として、1つのメソッドがすべての患者に当てはまらない、また、1つのメソッドに対してさまざまな反応があるからだろう。

一方で、幅広い分類方法は、違った評価の視点があることの良さ、洞察・熟練、分類方法に不足しているものを表しているのかもしれない。」

と述べています。

分類の問題点として、”かぶる”ことがあげられます。

Aにも当てはまるけど、Bにも当てはまる・・・じゃあ、どっちの治療方法を実践しようか?となります。

WCPTのシンポジウム Low back pain でも、3つの分類方法を紹介していますが、「すべての患者を分類できない場合がある。状態・患者に合わせて臨機応変にそれぞれの”腰痛の分類”を用いるべきか?」とディスカッションがあり、3つの分類の使いわけについても述べられています。

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まとめ

WCPTの学術大会の内容ですが、内容によっては動画&スライドを配信してくれます。

実際に参加するよりも少し時間差はありますが、最新のトピック、トレンドを知ることができるので、定期的にチェックしています。

おすすめの書籍(Recommended books)

非特異的腰痛、急性腰痛と慢性腰痛について理解を深めるのにおすすめの書籍の一冊です。”腰痛の分類” についても記載があります。心理社会的要因の評価なども紹介しています。オーストラリアの理学療法士ピーター・オー・サリバンの慢性腰痛の分類、また、治療方法についても紹介しています。当研究所代表も分担執筆させて頂いています。

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