Heel hight distance (HHD)ACL術後の膝伸展可動域の計測

ACL 再腱術後の膝伸展角度を計測する場合、ゴニオメーター以外に、Heel height difference(以下、HHD)が用いられることがあります。

「膝蓋骨をベッドに乗せるか、乗せないか」

スタッフと話し合う機会があったので、調べてみました。

Heel height difference(HHD)

1989 年、Sachs RA がACL 術後の膝蓋大腿関節の問題に関する文献の中でHHDを紹介した・・・のが始まりでしょうか。

Sachs RA が紹介している方法では、膝蓋骨をベッドに乗せる、乗せないという記載はありません。

しかし、図は乗せてないように思えます。というか、乗せていない・・・下の図を見て、ダブルチェックをお願いします。


その後、2002年に、Schlegel TF et al. が

「ベッドに膝蓋骨を乗せた状態と乗せない状態のよるHHDの関連と、大腿周径の差によるHHDの関連」について研究をしています。

結果はというと、「HHD が 1cm あると角度差は1.2°ある、膝蓋骨の位置および大腿周径差は統計的な有意差はない」ということでした。ということでした。

ただし、この研究は対象者の除外基準がなく、「ACL術後」をすべて対象にしているので交絡の影響を考える必要があります。

Sebastian D et al.(2014)は、 Extension lag のテストとして sitting active and prone passive lag test というのを報告しています。

prone passive lag test は腹臥位で膝蓋骨をベッドからだして踵の高さに違いがあるか、ないかを判定します。ちなみに、図は靴を履いています。

差を計測するのではなく、Lag があるか、ないかの二択です。検者間信頼性はKappa 0.636 としています。

日本でHHDを計測に用いた研究では、膝蓋骨を乗せていることが多いです。

原著では定規を用いてcm を計測していますが、臨床では何横指として計測していることの方が多いように思えます。

しかし、指を用いた方法だけでなく、定規を用いたcm でも検者間信頼性は低いような気がします。

せめて、L字定規、ゴニオメーター(GS-100)をL字にして健側の踵に当てた方がいいのでは? と思うのですが・・・

さて、HHDですが、この方法がROM測定で推奨されるのか?というと、各国のガイドラインをみても記載はないです。

また、研究でよく用いられているか、というとゴニオメーターでの計測が多いです。 

 

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個人の結論

 
長くなりましたが、
 
個人の結論として、
 
「ACL再腱術後の伸展可動域の獲得はとても重要です。伸展可動域の計測にはゴニオメーター以外にHHDがある。
 
ただし、ハムストリングスの緊張が強い場合、計測できないこともあるので、ハムストリングスの緊張は必ず確認しよう。
 
膝蓋骨を乗せるか、乗せないかはいろいろな考えがあるけど、初回に乗せたなら2回目以降も乗せようか。
 
HHD の検者間信頼性はなさそうだから研究もいいかもね。」

 
さて、みなさん、どうでしょうか。

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