アジア徒手理学療法学術集会に参加してみた感想

9月14日(土)から3日間、東京の首都大学(20204月〜東京都立大学に名称変更)にて開催されたアジア徒手理学療法学術集会に参加してきました。

普段は学会には参加しないのですが、今回は面白そうなワークショップがあったので参加しました。

都合上、2日目からの参加でしたが、とても学びの多い有意義な2日間でした。

参加の感想としてコラムにしたいと思います。

アジアということなので、アジア各国から理学療法士が参加しているのかと思ったのですが、参加者の多くは日本人でした。

6つのワークショップ、6つのKeynoteレクチャー、4つのシンポジウム、オーラルプレゼンテーション、ポスタープレゼンテーションという構成でした。

ワークショップは2つだけ参加できるということなので、吟味して決めました。

Workshop1

1つ目に参加したワークショップは「Identification of mechanisms of musculoskeletal pain from the patient history and physical examination」です。

チューターはUKの Allison Ruston 先生University of Birmingham)です。

疼痛メカニズムを理解して、疼痛タイプに応じた介入を説明していました。

侵害受容性疼痛・末梢神経性疼痛・中枢性疼痛をどう判断するのか、特徴は何か、主観的評価・客観的評価では何をするのか、など、再確認したことが多くありました。

神経障害性疼痛に対する徒手療法として、L4PA、L4と神経テンションポイントの関係についてちょっとだけ話をしていました

神経障害性疼痛に対して、椎間孔の拡大を目的とした場合は頭側方向の上方滑り、神経組織と周囲組織の滑走性の改善のためには側方滑りを用いていますが、いろいろな方法がありますね。

受講生にたくさん質問される先生でしたが、受講生の反応があまり良くなかったので、他者を気にせず、間違いを恐れず、英語も気にしすぎず、ガンガン答えました。また、気になることはドンドン質問もしました。

講習会は滅多にない機会です。お金も安くありません。今回は早期割引で32,000円でしたが、書籍なら3冊購入できます。

実際に会うことができる講習会では、わからないこと、知りたいことは貪欲に聞くべきですね。

ワークショップでは、脊椎徒手療法コースに参加してくれた先生にも偶然、お会いしました。

とても優秀で、常に努力、前進されている先生ですので、話をしていてとても刺激を受けました。2日目はペアになって練習ができたので楽しかったです。

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Workshop2

2つめに参加したワークショップは「Thoracic Manipulation: An effective treatment option for patients with neck and shoulder pain」です。チューターは、IFOMT の会長のKen Olson 先生(USA)です。

胸椎のマニュピレーションについては、以前、オーストラリアのManual concept に参加した際に習ったのですが、習った技術を臨床ですべて用いているわけではなく、錆びついている技術があります。

自分の知識・技術の確認をしたい、また、臨床で気になっていることについて意見を聞きたい、というのがあり参加を決めました。

講義内容はというと、外傷性の頚部痛・肩関節痛の症例を基にどう評価・治療していくかというものでした。

冒頭で、上位頚椎の靭帯不安定テストが配布資料になかったのが気になり、質問しました。

上位頚椎の靭帯不安定テストについては、外傷性の場合は実施した方がいいという意見もあれば、症状・兆候に基づいて実施することを検討する、という意見もあります。

Ken 先生は、今回の症例については実施しなかったということでした。防御性収縮があり、他に脳神経検査などすることがあったということです。

ちなみに胸椎のマニピュレーションは、以前学んだものと同じでした。

もう1つ意見を聞きたかったのが、胸椎のマニピュレーションを実施する際に年齢を気にするか、何歳までしたことあるのか、ということです。

配布資料でも、警戒(precaution)として、年齢が述べられていましたが、実際はどうなのか、と。

答えは患者による、ということでした。高齢でも脊椎の変形がなく活動量が高い人には実施する場合もあれば、中高年でも胸椎後弯が強く喫煙などがある人に対しては実施しないこともある、ということでした。

これについては同意見で、年齢は気にする部分はあるけど、年齢だけで判断できない、ということですね。

なお、症例については、第一肋骨の可動性の評価、肩甲骨の位置異常に関する記述がありませんでしたが、実際はしているかもしれませんし、着目するところが違うかもしれません。

また、マネジメントの中に、関節位置覚の治療としてレーザーポインターを使用したものがありました。資料内ではおでこにつけるものでしたが、頭頂部に設置するものもあります。

自分で作ったのか?どこかで販売しているのか?という質問にも気さくに答えてくれました。ベースボールキャップでもいいよ、自分の好きなチームのにしなよ、とユーモアあるアドバイスでした。ちなみに、私は100円均一のもので自作しました。今度、コラムにしたいと思います。

今回のケースは純粋に外傷性の頚部痛・肩関節痛のマネジメントを紹介していました。徒手的な介入だけでなく、セルフエクササイズの重要性についても述べていました。

臨床では、保険、休業補償、症状固定、職場のニーズ・対応などさまざまな要因が絡んでくる場合は、症例によっては非常に難渋するんですよね。

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ポスタープレゼンテーション

空いている時間は、ポスタープレゼンテーションに参加しました。

発表されている研究の中には、(研究をしない私からみても)方法・考察など???、先行研究をちゃんと調べたのかな?というのもありました。

一方、興味深い研究もいくつかありました。

その1つに、健常者に対して眼球運動エクササイズ(上下の注視)と頚椎深層筋群エクササイズを行った結果、矢状面のバランスが良くなったという研究がありました。

眼球運動と頚椎深層筋群エクササイズ、眼球運動とバランス、ヴィジョントレーニング、など効果やメカニズムがはっきりとわかっていない部分もあり興味があります。

ヴィジョントレーニングはスポーツまたリハビリテーション分野でも用いられているので可能性は大きいと感じています。

発表された先生ともいろいろ話させてもらいましたが、対象者を変えるのか、眼球運動を左右にするのか、追視も含めるのか、今後の展開が楽しみです。

Keynoteレクチャー

Keynoteレクチャー「Precision manual physical therapy in Asia driving transformation of practice」にも参加しました。

チューターはWorkshop1 と同じく、Allison 先生です。

引用文献で面白かったのが、クリニカルリーズニングの過程において、エキスパート(Experts)と初心者(Novices)で主観的評価と客観的評価の時間が違う、エキスパートは初心者と比べ主観的評価が長く、客観的評価が短い、という内容でした。

主観的評価がしっかりしていれば、客観的評価ですることが明確になりますよね。

他にも、StarT back screening tool CRPについて説明していました。

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最後に

学会開催中にシンポジウム、オーラルプレゼンテーションにも参加したのですが、たまにグダグダ感がでている時がありました。

理由は、“英語”です。

日本人の先生であったのが、英語で質問されて答えられない、司会の日本人の先生が気を使って日本語に訳して質問しても今度は英語で答えられない、というまるでコントのようなことが起きていました。

また、出身国はわからないのですが、英語が伝わらないと判断したら日本語にして質問し直していた他国のPTがいました。

これはこれで凄いですよね。日本語できるんかーい!と思わず心の中でつっこんだのは私だけではないと思います。

壇上で発表するというのは、日本語でも緊張するというのはもちろんわかります、、、が、会話にならないというのはせっかくの議論も勿体ないですし、アジア学会なのに日本語が頻繁に使われ過ぎてしまうと韓国、フィリピンなどの他国のPTはどう思うのかな、というのが前向きな感想ですね。

私も今回のワークショップ参加を通じて、自分の英語力のなさ、英語力の低下を感じました。語学学習に終わりはないので、再度、頑張りたいと思います。

今回の学会は1回目ということなので、今後の発展に期待です。なお、写真は最終日のものでちょっと人数が少ないですが、レクチャーによって人数が変動していました。

2日間の参加でしたが、熱心な先生との再会もあり、有意義なものでした。

今日学んだことを臨床に反映させて、患者に還元していきたいと思います。

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